友へ

　キミ想うこと～幸生へ

１５で市工に入学して、１８まで同じクラスじゃったの。幸生。
学校入って、わしやんちゃじゃったけん、
ちいと浮いた感じじゃったの。
じゃが、夏休みまえになったら、何人か普通に
話せる友達ができとったわい。その一人がお前じゃったわい。
盆にゃあ、お前の実家の島にみんなで泊まりに行ったよのう。
わしゃ、魚ばっかし出てくるけん文句ばっかたれよったの。
お前は「文句ばっかり言うな！」って言いよった。
その後は、クラスの五人とお前の幼馴染一人、六人で
遊んだりしたわいのう。
わしん家来たり、ほかの家いってワイワイしたもんの。
楽しかったで。

お前、優しい男じゃったもんのう。
じゃが、優しいだけじゃなかったもんの。
わしゃ、知っとるで。
お前が、温厚じゃけど、正義感が強うて、一本木な男じゃって。
お前くらいしかおらんで。
わしが、ボンクラしよーた時に街中で出会うて
連絡先教えーや言うて、教えんかったのは。
お前　「お前には、教えんわい！」って
はっきり言いよったもんの。

そがいなお前が、わしゃ大好きだったで。



昨日は、お前の葬儀だったの。

会場におっても、棺のお前見ても、実感なかったわ。

じゃがの、幸生。一人になったらやっぱ寂しいわい。
涙があふれて止まらんのんじゃい。

お前みたいに、カバチたれるやつほかにおらんじゃろうが！
バカたれが。先に逝きやがって。
こんな形で逢うんじゃなく、お前のカバチが聞きたかったで。

いつか逢えるときまで。
またの。幸生


安らかに。